涸沢の紅葉を見に行ってきた 中編

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普段は5時など到底起きることができないのに、
日がのぼりかけた頃に不思議と自然に目が覚める。

非日常的で圧倒的な景色を目の前に、眠気がズドンとどこかに飛んでいく。
朝の訪れをはっきりと感じる。

朝の寒さに震えながら、お湯を沸かしてラ王を作る。
具はない。麺のみ。醤油味。
ズズズーっとおもいっきり麺を啜る。
麺だけでも美味い。鼻水が出るほど美味しい。

大自然の中では、何を食べたって美味しいのだ。

ささっと荷物をまとめ、要らないものをテントに残し
小梨平キャンプ場を出発。

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天気は快晴、足取りも軽快。
すれ違う人たちと丁寧に挨拶をする。

これから涸沢に行く人、早朝に下山してきた人、森林浴を楽しむ観光客、
様々な目的をもった人たちが上高地を中心にして行き交っている。

そのことがとても素敵だなと、いつも上高地に来るたびに感じる。

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徳沢までくると、少しずつ登山客の割合が増え始める。
名物のソフトクリームを食べている人がよく目についた。
水場で水を補給する。

横尾にようやく到着。
小梨平から地味に遠いことを実感する。
槍ヶ岳に登る人、涸沢に登る人、ここまでくるとおよそほとんどの人が登山客となる。

下山してきた人が祝杯をあげているのを横目に、「よしっ!」と一人気合を入れる。

ちょうどお昼ごろに本谷橋に到着。
ここから2時間以上の上りが待っているので、その前に腹ごしらえ。

この日のお昼ごはんはローソンで購入した「ナガラ食品の冷凍ホルモン鍋」と、
水を入れるだけで作れるドライカレー。

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ホルモンの良い匂いがあたりに立ち込める。
砂糖を大さじ2杯入れると甘みと辛みがちょうどよくなり、
とっても美味しくなるのでオススメ。

ドライカレーも味は良好。
ここが出してるシリーズはハズレがなくて良い。

お腹も満たされたところで、川辺に根を張る前に移動。
ここからは上り一辺倒。
少しずつ木々が赤みを帯びてくる。

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急な上りを耐え登り切ると、
そこには赤・橙・黄に色づいた木々達が待っていた。

シャッターを切るたびに「綺麗!」とつぶやいているのが
そこかしこから聞こえてくる。

綺麗な景色を前にすると、どんな人でも素直になる。

山では辛いことと、楽しいことが同じくらい待っていて、
どんな人でも素の自分が出てしまう。
だからこそ山で芽生えた絆は何よりも強く、ずっと続いていく。

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この涸沢の紅葉を見に、世界中から人々が集まる。
その魅力をこの目と肌でしっかりと感じた。

山登りは確かに苦行に近く楽なものではないが、
その過程を経てこそ味わえる喜びが必ずあると思っている。

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真っ赤に色づいたナナカマドが、涸沢を彩っていた。
自分の背丈と同じくらいの木々をくぐって行くと、煙突から煙を上げる涸沢ヒュッテが見えてくる。

15時過ぎに涸沢ヒュッテに到着。
すでに涸沢ヒュッテは大賑わいで、続々と登山客がチェックインしにフロントへとやってくる。
フロントで「今晩は混雑しており、1つの布団につき2人で寝てください」と言われる。
もっと混雑する時は2つの布団に5人で寝ることもあるらしい。

ザックを寝床に置いて、乾杯のビールを飲みにデッキへと向かう。

(つづく)